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せめて夢の中だけでも
第16章 3年前…side凛
「なぁ…斎藤さんって彼氏いるの?」


急な質問に胸がドキンっと高鳴った。




「…うん」




そう、当時私には彼氏がいた。
同じ大学で付き合って一年が経ったくらいだった。



「良いなぁ!俺なんてもう1年いないわ。」

「田中君…モテそうなのにね。」


「そうかぁ?そんなないよ?」


私たちはたわいない話をして歩いた。




この時から私たちは仲良くなったんだと思う。



「じゃぁな。また明日!斎藤さん!」


私と隼人は 笑顔で別れた。




隼人と別れると私は携帯電話を取り出し
彼氏へとメールをした。


『今終わったよ。今日は会える?』

彼からの返事は…NOだった。



お互いに社会人に成り立てで
慣れない社会が大変なんだろう…と思っていた。


私は彼氏を疑うことを知らなかった。
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