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せめて夢の中だけでも
第16章 3年前…side凛
「ついた…」
まだ上がっている息を必死に整えようとする。
大きく深呼吸をして
合鍵を使って中へと入った。
この時…どうして…気づかなかったんだろう。
玄関の靴に。
そしたら、あんな事にはならなかったのかも知れないのに…
玄関から短い廊下を抜けると
リビングが広がる。
リビングは電気がついてはいるが
晴の姿はなかった。
…お風呂?
一度玄関前へと戻りその横の
ユニットバスを覗いた。
だが、やはり誰もいない。
「晴?」
もう一度、リビングに戻った時だった。
「あぁっん…!」
「晴っ…もっと…あぁぁっ。」
ドクンっ…ドクンっ…と鼓動が激しくなっていく。
リビングの横のもう一部屋へとつながる扉…。
引き戸になっていて…リビングとは
繋がってできている。
…見たらいけない…
解っていた。
私はその引き戸に手をかけた。