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せめて夢の中だけでも
第17章 3年前…side隼人

…………。


一つ…台所にある潰れたケーキの箱。



…投げたのか…?あいつ。




俺が台所を見ていることに気づいた晴は
言葉をかけてきた。


「あぁ。あの箱?ケーキなんだけど…
昨日買ってきたのに落としちゃってさ…」


「…もったいないな」



「ってかさ!ひさしぶしだよな!
隼人と、会うの!」



晴が話題を変え、俺も普通にその会話に乗っていた。







「…なぁ。斎藤と上手くいってる?」


「え…あっ…あぁ。普通だよ」


明らかに動揺の色を隠せない晴。



「昨日さぁ…




斎藤泣いてたんだけど…



何で?」




「え…そっ…そうなの…」




「記念日だって…嬉しそうに
走って行ったんだけど?」



「えっ…いや…昨日は忙しくて会えなかったから…



それでかな…」





笑いが出てきた…


ふつふつと怒りがこみ上げてくる。
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