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せめて夢の中だけでも
第17章 3年前…side隼人
「…隼人でいいよ…」
『えっ?』
「隼人って呼んで。
いつまでも田中じゃ気持ち悪い」
『そうだね…隼人…』
その日から…俺と凛はよく飲みに行くようになった。
凛は寂しさを埋めていたのかもしれない。
別に俺もそれでよかった。
いつかまた…
凛が恋愛をしてくれるなら…それで。
俺たちは『同僚』として仲良くて
お互いに異性を意識していなかった。
俺も凛を「女」だとは思ってなかった。
「おい。凛。もうそろそろ彼氏作れよ。」
「んー。もう恋はいいよー。
隼人こそそろそろ彼女作りなよ〜。」
「…だな。」
「えっ…?」
いつもの居酒屋でそんな会話をする。
「俺、今1人アプローチされててさ…
しつこいわけ!」
酒が入った俺は、テンションも上がって
話が弾んでいた。
「…へぇ。誰?」
「受付の子。橘さんだっけ?」
「……可愛いもんね。」
「だろ?俺、付き合ってみようかな…って思う。」
「…いい…んじゃない…」
「凛もそう思う?」
安心…だったんだ。
凛とは永遠にこのまま…
近くにいれるんだって。