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せめて夢の中だけでも
第17章 3年前…side隼人
「俺、橘と付き合うことにした」
しばらくしてそう告げた俺に凛は
「良かったね…」と優しく微笑んでいた。
それでも俺たちの関係は変わる事なく
飲みにも行ったし、会社でもよく話した。
「ねぇ。隼人。斎藤さんのこと…好きなの?」
お昼時間に俺は食堂で麗華と一緒に
昼食をとっていた。
不意に聞かれたこの言葉。
「はぁ?何?いきなり…」
「だって、いつも一緒じゃない!
隼人とか呼んでるし!隼人も名前で呼ぶし!」
「友達なんだから、仕方ないだろ」
「絶対嘘よ!隼人は違っても
斎藤さんは隼人が好きよ!
誘惑に乗っちゃ駄目よ!」
…誘惑って
あいつに色気なんてないよ。
凛が…俺を好き…?
ないな。
あいつは…ずっと晴が忘れられてない。