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せめて夢の中だけでも
第17章 3年前…side隼人
「隼人っ。早く!
早くしないと百貨店での打ち合わせ時間に
間に合わないよっ」
「あ。あぁ。」
俺と凛は同期ということもあり、
よく一緒に外回りに出た。
エントランスには嫌でもいる俺の彼女。
俺と凛が並んで歩くのさえ嫌なようだった。
「ねぇ?隼人の彼女、機嫌悪い?」
小声で話しかけてくる凛に俺は
バツが悪そうに少しは頷いた。
「もしかして、私達疑ってる?」
「…少しな…」
「そっか…なら私、会社では名前で呼ばないよ。
外回りは仕方ないけど…小さいことは気をつけるね」
そう笑った。
「田中…行こう」
胸が…痛かった。
…凛が遠くに感じた。
…凛。
…隼人って呼べよ。