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せめて夢の中だけでも
第3章 最悪な再会。

「…あっ…」
紛れもなくその男は…
『彼』だった。
横顔では解りにくいけれど
あの端整な顔立ちは忘れない。
奇跡…とは、言えない。
このシチュエーション。
唖然とする私に隼人が声をかける。
「どうした?」
「何でも…ないの。」
次の瞬間には両ホームから電車が入り
あっという間に彼の姿は消えてしまった。
その瞬間には、私の足は勝手に動いていた。
「ゴメン!隼人。
急用を思い出した…。
ここまででいいから!ありがとう。」
そう言うと階段を駆け下りて
隣のホームへと走る。
「おいっ!凛!」
後ろで声が聞こえたが
今の私にはそれどころじゃなかった。

