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せめて夢の中だけでも
第3章 最悪な再会。
…もう一度…会えたら…
そんな思いでホームまで駆ける。
ハァ…ハァ…ハァ…
さっき入ってきた電車が出て行き
ホームには誰の姿もなかった。
「さっきの電車に乗っちゃったの…か」
すると…
「あっ。あんっ!」
えっ…?
人影はないが確かに聞こえた
艶やかな声。
「はぁ。あっ…」
どこ…?
「声…出すなよ。」
何…?
「しゅうっ…はっ」
駅の柱の陰に二つの影が動いていた。
私は、その2人の動きに目を奪われていた。
「…続きはまた、今度な…」
そう聞こえ柱から『彼』が出てきた。
目が合い…
彼の黒縁メガネの中の
漆黒の瞳が大きく見開かれた。