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せめて夢の中だけでも
第18章 3年前…side秋雨
店では俺の名前を呼ぶ奴はいない。
「アキ。久しぶり」
「アキ。」
「アキ、こっちきて」
「いらっしゃいませ。」
笑っていれば、女は寄ってくる。
「アキ。仕事終わったら少し時間ある?」
「いいですよ。」
名前も知らない女が俺の耳元で小さく呟く。
「私のうち、来ない?」
「…喜んで」
そう笑うと女の顔は紅潮する。
「おい。あんまり客に手出すなよ。」
「ハイハイ」
仁さんの柔らかな忠告なんて気にしてなかった。
女の愛し方なんて…わかんない。