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せめて夢の中だけでも
第20章 思い出せないあの日。
「凛ちゃん…好き」
「…どうしたの?」
今はこうして…君が隣にいる。
「…何でもないよ。」
「ねぇ?秋雨?私達が初めて会った時…
私…何も変なことしてない?」
「ん?」
「私…覚えてないから。
吐いたとか…暴れたとか…
後はその…」
「隼人って呼んだ。」
「嘘っ!?」
シーツの中から飛び起きて
凛ちゃんはこっちを向く。
全部丸見えだよ。凛ちゃん。
「本当。」
うつ伏せになり俺も凛ちゃんの方を向く。
「何度も…何度も俺に抱かれながら
隼人って呼んだ。
ショックだったなぁ…」
少し微笑んで凛ちゃんの方を向くと
凛ちゃんは両手で口を覆って固まっている。
…嘘だよ。
凛ちゃんは俺の名前を綺麗だと言ってくれた。
「後ね、自分からキスしてきて…
もっと。っておねだりしてた。
後はー…。」
「もうっいいからっ。ごめんね。」
我慢してたけど、それも限界で…
堪らず吹き出してしまった。