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せめて夢の中だけでも
第21章 晴れのち雨
「何になさいますか?」
「ウィスキーで。凛は?」
「私は…」
「良いですよ。彼女のは僕が作りますから。」
秋雨はいつも通りの笑顔だ。
「あっ。そっかお前、ここで飲んでたんだもんな。
何?目当ての男がいるのか?」
グラス片手にニヤッと笑う。
「…違うわよ。」
秋雨が出してくれたのは
カルアミルクだった。
「凛。子供だな。」
そう笑う晴の正面で秋雨は
怪しいくらいに薄っすらと笑っている。
「ねぇ。お兄さん。イケメンだよね!」
…何で絡むかな…
「よく言われます」
「イヤミな人だね」
「それも…よく言われます。」
「そんだけ顔よければ彼女いるんでしょ?」
ドキッとして思わず秋雨を見つめてしまう。
「はい。いますよ。」
秋雨は迷うことなく即答する。
「へぇ。隠さないんだ。」
「あなたの前ではね。隠す必要はないですからね」
まぁ、男だしね。と晴は笑い
グラスのウィスキーを飲み干した。