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せめて夢の中だけでも
第25章 メリークリスマス
「あー。真冬なのに暑いわ」
隼人が茶化すように手で自分の顔を仰いでいる。
「もうっ。隼人っ」
「俺ね…女を喜ばす方法なんて…
手に取るようにわかってるつもりだった。」
「えっ…」
「甘い言葉を言って…可愛いと呟いて…
好きだよ、愛してるよって言って
キスをしたら…女の子はいつも俺についてきた。」
「当たり前でしょ…」
「この世の中に解らないことなんてないと思ってた。」
「でもね…凛ちゃんにどうしてあげたらいいか…
俺には全然解らない…」
「秋雨…」
「他の女の子と同じにしたくない…
どうしたら凛ちゃんが笑ってくれるのか
解らないんだ…」
「秋雨、私いつも幸せよ?
秋雨が、そばにいてくれたらそれで…
笑える。
何もいらないの、あなた以外。」