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せめて夢の中だけでも
第25章 メリークリスマス
奥にはテーブル席が広がっている。
すべてのテーブルは、若い女の人たちで
埋められていた。



そのど真ん中で
グラスの中のワインをグイッと人飲みする秋雨。




…結構飲んでいるのだろう。
目は少しトロンとして色気が滲み出ている。




「アキ〜!もう一杯!」



酔っ払った彼は…始めてみる。




あの笑顔を他の子に見せて…
あの大きな手で、他の子の頬を包んで…
顔を近づけている。


周りがキャーキャーと騒いでいたけど
私の耳には届かなかった。




キスをするんじゃないかってくらいの距離まで
近付いて笑っている秋雨。



女の子はとても嬉しそうに頬を赤らめている。




…当たり前よね。

でも秋雨はホストじゃないのよ…


違う女の子にも呼ばれ
秋雨は、嫌な顔一つせず呼ばれた方へと向きを変える。


シャンパンをつぐと、
綺麗に一礼をする。
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