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せめて夢の中だけでも
第25章 メリークリスマス
「もうそろそろ、終わりだな…」


チラホラと帰るお客さんが目立ち始める。



「私たちも帰る?」

「そうだな。」

「沙織ちゃんは?仁さん待つの?」


「あっ。いえ、帰ります!」



三人はドアの前に立つ
最初に案内してくれた男の子に挨拶をして
店を出た。



階段を降りたところで、女の子が声を掛けられた。



「あのっー!」




振り返ると、すぐに気付いた…


秋雨が介抱した…あの女の子。





「アキさんの…彼女さんですか?」



「えっ…」



「わかってます。隠さないで下さい。

グラスの中に指輪入ってるの見ました…。」



「見てたの…」



「アキさんの彼女になれて…羨ましいです。」


「羨ましい…?」

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