この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて夢の中だけでも
第27章 疑惑と嫉妬。
「東京に、三店舗。
大阪に1店舗…、そして、福岡。
福岡の売り上げが伸び悩んでる。
だから…俺が行く。」
「………そっか。」
「半年したら…帰ってくるから…ね?」
「その間会える?」
「無理したら…多分。」
「秋雨は休みないもんね…
私が行けばいいよね?」
凛ちゃんは涙を堪えてる。
その表情は今にも…崩れそうだ…。
「仁さんも…最初の一カ月だけ行くから。
沙織ちゃんも同じ気持ちだと思うよ。」
「一ヶ月じゃない…」
俺はハンドルを握る手に力を込めた。
…俺だって辛いんだよ…
暫く沈黙のまま車を走らせた。
シーンとした車内はとても空気が重かった。