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せめて夢の中だけでも
第27章 疑惑と嫉妬。

その日の夜。


私は珍しく有香とご飯を食べていた。




「久しぶり〜!もう4ヶ月ぶりくらいね!」


「本当に。」


「凛、変わりあったでしょ?
可愛くなっちゃって。」


「えっ?あっ…うん。」



「なになに?隼人くんとヤっちゃった?」



「っ!違うわよ。



…彼氏が出来たの。

前に言ってた…起きたら隣に寝てた人。」





「はぁぁぁあ!?」


「ちょっと!」


居酒屋といえど、個室がないここでは
有香の声は恐ろしいほど響いた。



「何?どこの人?どんな人よ!」





「五十嵐さん…」





ピタッと…有香の動きは止まった。




「はぁぁぁあ!?」



「だからっ!声大きい!」



「あのイケメン?本当!?やばっっ!」

有香は身を乗り出して食い入ってくる。




「凛!その店行くわよ!」


「…え。あの…今いないのよ。」


「もうっ!この際どうでもいいわ!行くわよ。」





私は引きずられるようにして
『lAin』へ、向かった。
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