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せめて夢の中だけでも
第27章 疑惑と嫉妬。
「どうぞ…お決まりになりましたら
お呼びください。」


軽く一礼する彼に有香は話しかけた。



「ねぇ、名前何?」


腰には名札は付けていなかった。



「あぁ。煌(こう)って言います。」



再び一礼し直し彼は去っていった。








2時間くらい経って、
有香も私も少し酔ってきた頃だった。



「失礼します。僕もう上がりなんで…
お姉さん達も店、出ませんか?」


「もう上がりなの?」


…秋雨たちは夜中まで帰ることはなかったのに…



「初日なんで」



彼が笑う顔は…本当に秋雨のようで…
胸の奥が何度も傷んだ。


トロンとした目で有香は煌に
「どこ連れてってくれるの?」と聞いていた。



「なら、近くの別のBARに行きましょう。」



そうして、私達の三人は少し歩いた所にある
オシャレなBARへと足を運んだ。
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