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せめて夢の中だけでも
第28章 甘い言葉の裏は…
その帰り道…
「あっれ〜?凛ちゃん?」
凛ちゃんと呼ぶ声にドキッとして振り返る。
「煌君。」
「あ。煌でいいよ。歳下だし。」
ニコッと笑う煌。
「なんで…そんな泣きそうなの?
俺なんかした?」
…違う…あなたが余りにも秋雨に似ているから…
髪型も色も…背も…
そしてその笑い顔も。
凛ちゃんと呼ぶその呼び方も。
…会いたいよ…秋雨。
「よしよーし」
笑顔を見せて私の頭を撫でる。
クシャクシャと犬を撫でるかのように。
「凛ちゃん。我慢しないの!」
「…っく。」
涙が頬を伝った。
何かあったわけでもされたわけでもない。
ただの…私のマイナス思考。
なのに…凄く不安で潰されそうだった。