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せめて夢の中だけでも
第28章 甘い言葉の裏は…
少し落ち着いた頃…
私たちは近くの人気もない公園に来ていた。
「ごめんね。迷惑かけて。
もう大丈夫だよ…」
私はベンチに腰掛けているが
煌は滑り台の上に座っている。
「…本当に?」
照明の明かりに照らされて煌の髪はキラキラとしていた。
滑り台を滑り降りると私の元へと駆けてくる。
そして、私の髪をポンっと叩くと
あの…笑顔を向けた。
「俺が秋兄の変わりしてやるよ?」
青みがかった目に吸い込まれそうだった…。
「何変なこと…」
「俺、マジ」
「意味が…」
「意味なんていらない。
秋兄がいなくて寂しいなら
俺がそれを埋めてあげる。
ただそれだけ。
あっちだって…今頃…朱里さんと
よろしくやってるんじゃない?」
「…やめてよっ!」
頭に置かれた手を払いのけて私はベンチから立ち上がった。