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せめて夢の中だけでも
第28章 甘い言葉の裏は…




その時、煌の携帯電話がベルの音を鳴らした。



煌はディスプレイを見ると
少し舌打ちをして電話にでる。



「なんだよ。兄貴。」


そのイラついた声と兄貴と呼んだことで
相手が誰だかすぐに分かった。




「あ?はぁ?なんで朱里がこっちにくるんだよ。」

「やだよっ!」



朱里…その言葉とともに…

煌が『朱里』と呼んだことにも違和感覚えた。





電話を切った煌は大きく溜息をついた。


そして…

「凛ちゃん。明日から朱里さんがこっちに
三日間だけくるよ。会う?」


「会うって…会う必要なんて…」


「私が彼女ですって言わないの?」



私の顔を覗き込んで、フッと笑った。





…言って何になるのよ…



正直それしか思えなかった。
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