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せめて夢の中だけでも
第28章 甘い言葉の裏は…
「…残念?なんのこと?」
彼女は小さく笑うと私の目を見た。
そして、席を立ちピンヒールを鳴らして
こちらへと歩んでくる。
私よりも身長が高いこの女性は
私を見下ろし、私の髪をひと束握った。
「ふ〜ん。秋雨もこんなタイプが好みになったわけ?
信じられない。」
鼻で笑うと長い睫毛が揺れた。
「凛ちゃんに触るな」
パシッと音がして
髪の毛を触っていた手が跳ね除けられた。
煌が…彼女の手を払い
怖い顔で睨んでいる。
「痛いわよ。煌。」
彼女は何食わぬ顔で自分の手の甲をさすっている。
「何?まだ、根に持ってるの?」
彼女の言葉に煌はビクッと反応した。
…何…?なんなの?煌…君。
煌は申し訳なさそうに私を見て
小さく笑って帰ろうか…と呟いた。