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せめて夢の中だけでも
第28章 甘い言葉の裏は…
無言で…煌は私の少し前を歩いている。
私のことなんて見えないように
ただひたすら、足を進ませる。
早足で歩く私にさえ気付かない。
この前は何度も後ろを振り向いてくれていたのに。
「煌君っ。待って!」
声をかけるとやっと煌が止まった。
「あっ。ごめん…」
「大丈夫?」
私がやっと追いつくと
煌は笑顔になって私の頭に手を乗せた。
「ごめん。置いていってた。」
「煌くん…?」
笑顔はすぐに切ない表情に変わる。
「朱里ね…ずっと秋兄の事好きなんだ。」
…ずっと…?
ずっとって…?
麗華ちゃんよりも後?前?
聞きたいことがありすぎて頭をうまくつかえないでいた。
すると、私の携帯電話が着信を知らせる。