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せめて夢の中だけでも
第28章 甘い言葉の裏は…
ディスプレイを見るなり私は直ぐに電話に出た。



「秋雨っ!」


私の前に立つ煌は…眉を潜めて苦笑いをする。




『凛ちゃん…そんなに慌ててどうしたの?』



…前と変わらない優しい口調の秋雨だった。



「秋雨っ…会いたいっ…会いたいよっ…!」




秋雨の言葉を聞くよりも先に…
私は秋雨に叫んでいた。



煌の目の前で…。




『凛ちゃん…慌てない。』

小さな笑い声が聞こえる。


『来るんでしょう…?再来週。』




「…いっていいの?」


『当たり前でしょ?』





この前は素っ気なかったのに…。




『この間はごめんね…人と会ってて…』


「大丈夫だよ。ごめんね…そんな時に。」



…人。それが誰かなんて聞かない。


聞かない。
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