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せめて夢の中だけでも
第30章 コピーで構わない
そして…次の日も変わらず



私の家のチャイムが鳴る。




「あれ?煌君…仕事は?」


「迎えに来た。一緒に出勤して。」



「えっ!?ちょっと!」





私の手を引き私を連れ出す。


車に半ば無理やり乗せられ
10分ほどの道のりを走る。






「秋兄がしてただろ?

凛ちゃんとの特別な時間。



それを…俺が作ってあげる」




「あっ…」





開店前の1時間ほど…秋雨はいつも
二人きりの時間を作ってくれた。



でも…どうして

煌君は…わざと秋雨の事を思い出させるような事をするんだろう。





店に着くと、すでに仁さんも来ていた。



「やぁ。凛ちゃん!元気だった?」

「はい。」


「…聞いたよ。秋から。」


「やっぱり…」



私が苦笑いを浮かべると…


「大丈夫だよ」


そう仁さんは言った。



…大丈夫?




私には理解できなかった。



「凛ちゃーん。ここ。来て。」



カウンターの中に立ち
笑う煌君は…やっぱり似ている。
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