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せめて夢の中だけでも
第30章 コピーで構わない
「おい。キザ野郎」
後ろから仁さんが来て
煌の頭をぐしゃぐしゃにして行く。
「何すんだよ!兄貴」
「ガキが何いってるんだよ。」
「俺、本気だし。」
煌君がそう言うと仁さんはタバコを吹かし出した。
「馬鹿言え。秋に勝てると思うな。」
「わかってるよ!そんなの。
だから、俺は…諦めたんだよ…」
「大変だな。お前も。」
仁さんはフッと笑うとカウンターから出て行った。
「凛ちゃん…ごめん。
雰囲気壊しちゃった。」
私が首を横に降ると、煌君は
笑顔を見せた。
しばらくすると開店したようで
女性のお客さんがポツポツと入ってくる。
やはり、秋雨がいなくなってから…
少しずつ客は減っていると仁さんは言っていた。
それを今は煌君がカバーしてるんだとか…。
お客さんと煌君が話してるのを見ると
煌君もとても遠くの人に…見えた。