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せめて夢の中だけでも
第30章 コピーで構わない
また夜も変わらず…チャイムが鳴るんだと思っていた。
けれど…チャイムは鳴らなかった。
無性に寂しくて…心配で
私は無意識に煌へと電話をかけた。
プルルルルル…
何度も繰り返されるコール音。
切ろうとしたその時…
『はい。』
煌の声がした。
「ごめんね…忙しい?」
『どうしたの?凛ちゃん。珍しい。』
「今日は来ないの…?」
電話の向こう側でクスッと彼は笑った。
『なんだ…寂しかったの?
凛ちゃん…可愛いなぁ』
変わらない煌に安心した。
『今日はちょっと忙しいんだ。
でも行くから。待っててね』
「わかった」
電話を切った後…自分でも驚くほど
安堵していた。
思ったことは…彼を失いたくないと言う事実だった。