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せめて夢の中だけでも
第31章 溢れる心と溢れた優しさ
『…元気してる?』
「うん。」
『ちゃんと食べてる?眠れてる?』
「…うんっ」
『来月…少し早いけど帰るんだ。』
「…そうなんだ…」
『…会えない…かな?』
そんなの聞かなくても解ってる。
「いいよ。」
『…よかった』
『煌は…元気?』
「えっ?元気…だよ?」
『そっか…また連絡するね』
そうして、秋雨は電話を切った。
どうして…煌の事を聞いたんだろう?
それでも、久し振りに聞いた声は
私の気持ちを高ぶらせるには十分だった。
…会いたい…
その気持ちが蘇る。