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せめて夢の中だけでも
第32章 再会。
「おいっ。……っ。」
秋雨が何か言いかけて…言葉を止めた。
「何だよ。秋兄。」
「…いや…気をつけて帰って。」
軽い笑みを見せると秋雨は
朱里さんの手を引いて…
マンションの中へと消えてしまった。
仁さんが心配そうに私の顔を覗く。
「凛ちゃん…あのね…」
仁さんがなにか言いかけたその時…
「やめろよ。兄貴。」
冷たい煌君の言葉が仁さんの言葉を遮る。
「…わかったよ」
仁さんはため息をつくと来る前と乗り込んだ。
秋雨と朱里さんが降りた後の車内も…やはり
静かだった。