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せめて夢の中だけでも
第32章 再会。
「でもね…朱里は…
秋兄の中では、遊べる女の一人に過ぎなかった。」
「それ…いつの話…?」
「秋兄が遊びまくってる時期があった。
…3年まえくらいかな…。
俺、まだ入りたてでさ…秋兄に憧れてた。」
…3年前…きっと麗華ちゃんを失った時くらい…
「憧れて…憧れて…すっげー好きだった。
そして…俺は…朱里を女として好きだった。
その2人が、ヤッてんの目撃したんだ。」
煌の顔が苦痛で歪んでいく。
そして…私もその事を想像するだけで
胸が痛かった。
「俺、次の日…秋兄に謝ったんだ。
そしたら秋兄、笑って…
『女を傷付けるなよ』って言ったんだ。
訳わかんなかったけど…
しばらくしてから朱里が俺を誘ってきたんだ。
嬉しくて…嬉しくて…
舞い上がってた。
でも…朱里が名前を呼んだのは俺じゃなかった。」
煌の強く結ばれた拳にギュッと力が入った。