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せめて夢の中だけでも
第32章 再会。
「秋雨…」
「解ってた。俺が秋兄に勝てるわけない。
だから…雰囲気も似せて…朱里の中では
秋兄でいてやろうって思ったんだ…。
俺はずっと何年間も…秋兄の代わりをやってきた。
そして、俺自身はもう諦めてた。
きっと…秋兄はそれに気付いた。
だから…ずっと断ってた福岡行きを決めて…
朱里の側にいる。
きっと…俺の為なんだ。」
煌の綺麗は瞳からポタポタと涙が溢れていた。
「だから俺は凛ちゃんに手を出さない。
一目見たときに秋兄が惚れるの解ったから…
ごめんっ。凛ちゃん…」
煌君は子供みたいに泣いた。
俺のせいで私たちが別れたと…泣いた。
…きっと違う。
もしそうだとしても…
朱里さんの側にいることを選んだのは
秋雨本人だから…