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せめて夢の中だけでも
第32章 再会。
「だからっ…あの日…秋兄が
凛ちゃんに会いたいって電話してきて…

俺が凛ちゃんの家の鍵借りたんだ。


俺が約束の時間に家行ったら…
ベッドで仲良く2人が寝てたんだよ?

笑っちゃった。」




「俺がまた…朱里のところに戻るから。」



煌君は苦笑いを見せた。



「煌君は…まだ朱里さんが好き?」



その問いに煌は首を横に振った。



「今さら気付いた…好きなふりしてたんだって。

今なら秋兄の言った…

『女を傷付けるなよ』って意味解る。



いつから好きだったかも…
いつから好きじゃなくなったのかも…


解んないや。」



私はそっと彼の手に自分の手を重ねた。



「そんなの…誰にもわからない。」



煌は少し笑って、
私の手を引きその手に唇を落とした。



「俺…いつから凛ちゃんが
好きになってたんだろうな…


また勝てないのに…」



煌はとても切ない表情を見せる。
さっきまで泣いていた目は赤く染まっていた。
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