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せめて夢の中だけでも
第32章 再会。
電話を切った後の私は
煌君に抱きしめられていた。



「朱里…無理するところあって…
酒に溺れて何度と秋兄を呼ぶ所とかあってさ。


きっと喧嘩してる時は…そういう時なんだと思う。」





激しく言い争っていた秋雨と朱里さん。
あれは…何かを阻止していたのかもしれない。




「ねぇ?仁さんの…婚約者だったって」





「ん。朱里は俺の兄貴の後輩…
ずっと付き合ってたんだ。

もともと美人だったから…一緒に働き出して…


その後に、秋兄を兄貴が見つけた。


秋兄、あんなだからモテるし…
見境なかったからね。


朱里に、誘われて何の感情もなくやったんだと思う。


もともと朱里は店には出なくて、
事務の方だったから…兄貴と付き合ってるっていう
雰囲気を出すこともなくて…秋兄は、気づいてなかった。


兄貴がある日、伝えたんだ。
何も知らずに…あの女は俺の婚約者だって。」



頭がうまくついていけない…
衝撃的だし…その二人が今はあんなに信頼してるのが不思議なくらい。
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