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せめて夢の中だけでも
第34章 変わらないその気持ち。
「凛ちゃん。緊張してるの?」
「えっ!?あー…うん。」
「そう…」
クスッと笑うと秋雨は私の手のにそっと触れた。
「俺も…緊張してるよ?」
自分の胸へとその手を添えると
ドクンっ…と秋雨の鼓動が手の平へと伝わる。
久しぶりな秋雨の温もり。
こんなに…温かいと思ってなかった。
「秋雨…
この前…私の所に来てくれたんだね。」
「煌…バラしたの?
行ったよ。凄く…可愛かった。」
「また…抱かれたの…覚えてなかったよ」
「忘れん坊凛ちゃん。」
秋雨の柔らかな笑顔が私を捉える。
もう微塵も動けなかった。
静かに…どちらからともなく…
唇を近付けた。
温かい感触が口の中に広がる。
満たされるとはこういう事を言うのだと
実感させられた。