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せめて夢の中だけでも
第35章 友情
「…苦しかっただろ。」
カチッとマウスを鳴らし
パソコンをたたむ。
「いや…三ヶ月で済んだから…」
「よく言うよ…毎朝、ゲロってたんだろ?
朱里から聞いてた。
お前に潰れられたら困るから
俺の目の範囲内に戻した。」
「ただの…飲み過ぎだよ」
仁さんは俺の顔を見て、フッと薄く笑った。
「いつから…そんな一人の女しか
だけなくなった?」
タバコを一本取ると口に咥え火をつける。
煙をわざとこちらへと吐きつけた。
「……………別に」
「俺も…凛ちゃんを抱けば…
わかるのかな?」
「仁さんっー!」
「嘘だよ。嘘。」
はははっと豪快に笑う仁さんに嘘はない。
凛ちゃんを抱くことなんて…
仁さんなら簡単だ。
「お前さ…
俺と朱里が付き合ってたの知ってただろ?」
タバコを灰皿へ潰すと
俺の顔を真っ直ぐ見つめる仁さんがそこにはいた。
空気が張り詰めて…
微塵も動けない。