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せめて夢の中だけでも
第36章 埋めて、埋めて、埋め尽くして。
事務所に一人残された私は
椅子に座り暇を弄んでいた。
おもむろに携帯を取り出し
その画面へ視線を移すと…
いつの間にか3件ものメールが入っていた。
そのお知らせ画面をスワイプすると
メールが開かれる。
「ーーーーっ!!」
余りの驚きに口元を手で覆い
声さえ出なかった…。
『凛ちゃん。愛してるよ』
『凛ちゃん。仕事が終わるまで待ってて。』
『凛ちゃん』
最後のメールは、名前だけ…
打ち損じたのだろうか…?
3件も、分けて送る必要があったのかわからなかったけれど…
秋雨が仕事の間にコソコソと打ったであろう
そのメールは優しさが溢れていた。
何か熱いものがこみ上げてくるのがわかった。
『ここでいつまでも待っています。』
そう返信すると私は机に突っ伏し
目を閉じた。
早く…秋雨に抱かれたい。
離れていた分、早くあなたに触れたい…
そんな思いがこみ上げてくる。