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せめて夢の中だけでも
第36章 埋めて、埋めて、埋め尽くして。
しばらくすると
私の頭を誰かが何度も撫でている。
安心する…大きな手。
ユックリと目を開けるとそこには
やっぱり秋雨が立っていた。
「あれ…私、寝てた?」
「うん。ヨダレを垂らしてたよ」
クスッと笑って私の口の端を
親指で撫でる。
「…嘘っ!」
慌てて秋雨の腕を掴むが彼は
優しい笑顔のままこちらを向いている。
「うーそ。可愛い寝顔だった。」
「………もぅ…」
時計を見るとまだ0時過ぎで
秋雨が帰れるにはまだ早い時間だった。
秋雨も同じように時計に目をやると
察したのかまた視線を私へと戻した。
「あぁ…仁さんがね…
早く凛ちゃんを抱いてやれって」
そう、耳元でクスッと笑った。
みるみるうちに私の頬は赤く染まっていく。
本当に…この人は…私を困らせるのが得意だ。