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せめて夢の中だけでも
第36章 埋めて、埋めて、埋め尽くして。
秋雨に背中を向けたまま私は彼に伝えた。




「私…で良いんですか?」



「もちろん…」





「秋雨…お願いします。」






その言葉を聞くと、秋雨は後ろから
力強く抱きしめてくれた。



「大事にする…約束するからね」


「もう大事にしてもらってる。この上ない程…」






どのくらい抱きしめてもらっていただろうか…


秋雨が何かを思い出したかのように
私から腕を解いた。




「もう…いいかな?」



おもむろに携帯の画面に目をやり
時間を確認する。



「凛ちゃん、そろそろ家に帰ろうか」



…?



時刻はすでに3時を回っていたところだった。





来た道をまた引き返し、
秋雨のマンションへと帰宅する。
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