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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。
漆黒の黒髪がサラサラと揺れる。
長い睫毛が印象的で…
私と同い年と言われてもわからないくらいの
落ち着きがあった。
「あっ!凛さん!」
そう笑う彼の笑顔は…あどけなさが出て
10代なんだと気づかされる。
「私のこと知ってるの?」
「もちろん!」
周りの視線が痛すぎて笑ってごまかすと
ヘルプに入っていた同じバイトのユウキ君が
壱の肩を叩き別のところへと連れて行く。
代わりにユウキ君が私の周りの3人程と会話してくれていた。
「すいません…。」
「いいの。いいの。ユウキ君は、ヘルプなんだ。
珍しいね」
いつも、ユウキはお客さんの誘導が主で
玄関前に待機していることの方が多い。
「壱の監視役ですよ」
笑いながらユウキ君は壱君をチラッと見た。