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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。
「大丈夫。怒ってないよ。」
「今日はもう遅い。明日話すよ。」
そう言ってまた頬にそっとキスを落とした。
『おやすみ』と呟かれたけど…
私はなぜか…答えることができなかった。
…聞いてはいけなかったんじゃないか…
…知ったらいけないんじゃないか…
そんな事ばかり、考えてしまった。
横で ベッドから秋雨が出て行った。
キッチンの方へ向かったようだった。
しばらくするとまた戻ってきて
隣へと潜り込む。
珍しく…その日秋雨は
私に触れなかった。
いつも、手をつないだり
くっ付いてきたりと何かしら
わた日に触れてくるのに…
背中合わせのこの、静寂がとても苦しかった。