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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。


「はぁ。」




パソコンとにらめっこしながら
大きな溜息を一つついた。


その溜息は周りの空気を重くさせたのか
隣の沙織ちゃんも目の前の隼人も
同じように溜息を付いていた。


「お前なぁ…」

「先輩…暗い」




「あっ。、ごめん…」








「どうしたんだよ?」.



お昼休憩に入り3人で近くの定食屋に来ていた。




「秋雨の家族の話…知らなくて…
聞いたら、なんか…秋雨が元気なくて。」


「生い立ちが問題ありかよ?」


「わかんない。今日話すって。」


「…まぁ、改めて話すって事は
なんかある…わな。」




「別にいいんじゃないですか?
先輩はどんな秋雨さんでもいいんでしょ?」


「うん。それは変わんない。」


「なら関係ないですよー。
聞いて笑って、はい!おしまい!」




「お前…羨ましいよ」

「わぁー!褒められたー!」

「褒めてねぇよ!」


隣でギャアギャア言っていたが
もはや、私の耳には届かなかった。
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