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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。

「思い出させてごめんね…」


「別に。もう子供じゃないし
家族は今は凛ちゃんがいるから。」


私が笑うと秋も微笑んでくれる。




「俺の名前は…母親がつけてくれたらしい。

雨は…暗いイメージがあるって親父が止めたんだって
小さい頃母親が話してくれた。

母親は…



雨は草や花に生命を与える。
必要なのは太陽だけじゃない。

生まれた俺が…

誰かの支えになれるようにって言ったらしい。」



「素敵ね…。」




「兄貴の名前は夏輝。
夏の晴れた日に生まれて…
輝いていたからだって。」



「…秋雨?」



秋雨が不意に俯いた。
そして、泣いているのか…肩が揺れた。




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