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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。
…次の日の夜。
仕事が終わり、秋雨のお店の、螺旋階段で声をかけられた。
振り向くと…壱君が立っていた。
「凛さん、今日も来たの?」
「うん。壱君は今から?」
「そだよ。てか、俺のことは花子って呼んで。
みんなそう呼ぶからその方がいいや。」
可愛い顔で笑う壱君はきっとモテるんだろうなと思った。
「凛さんの知らない秋雨さん、見つけられた?」
そう呟かれて心臓がドキッとする。
「知らない秋雨なんていなかったわ。」
そう笑い返すと壱君の、表情は少し曇ったように感じた。
そのまま、2人で店内に入ると
すぐに秋雨が、私に近づきこちらへとやってくる。
すると、壱君が私の横を通り
すごい勢いで秋雨に抱きついた。
「秋さーん!お疲れ様です!」
「お疲れ…て、離れて花子。」
「嫌っす。」
種の胸にすりすりと甘える壱君は
女の子のようだった。