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第38章 知らないあなたも私は知りたい。

「…嫌じゃないわけないでしょ。
でも、私は彼を信じている。」

そう真っ直ぐに壱君をみて伝えると
彼は小さく舌打ちをして、
私の耳に届かないくらいの声で

「俺なら絶対…嫌だ。こんなの。」と言った。


「えっ？」

うまく聞き取れず聞き返すが
次な瞬間には壱君はニコッと
「せいぜい頑張って！」と笑った。



…何、あの子。


壱君はそのまま、秋雨の方へと走り
また腕に絡みつく。
秋雨が至って普通で笑顔で
壱君のおでこを叩きワザと腕からはがすような動作を見せる。

そんなやり取りに…また始まったと言うような雰囲気の
仁さんたち。


きっと…いつものことなのだろうとあまり気にはしていなかった。