この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。
「ちょっと秋雨さん!どういう事だよ!」
「どういう事って…そういう事だよ?」
隣の部屋が騒がしい。
シーツの中に丸くなっていると、秋雨が私を呼びに来た。
「凛ちゃん、お風呂湧いたよ。」
「ん。」
「大丈夫だよ。花子なら追い出した。」
肩を叩かれ仕方なく私は浴室へと向かった。
しばらくして…シュンとした顔で戻ってきた壱君。
「凛さん…ごめん。見てないから…」
「私も…ごめんね…」
気まづい雰囲気の中3人で夕食をとった。
仕事に行かない秋雨も壱君も珍しい。
今日は臨時休業なのだそうだ。
3人で映画を見たり…お酒を飲んだりして楽しんでいた。
けれど…やっぱり二人きりの時間も欲しい…
チラッと秋雨を見ると、秋雨も気付いたようで
こちらを見て笑う。
そして、そっと私の手を握ってくれた。