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せめて夢の中だけでも
第38章 知らないあなたも私は知りたい。
ゆっくりと扉を開けると、玄関には
壱君が立って待っていた。


「ごめんね。凛さん、からかいすぎたね」

そうケラケラと笑っているが…本心は解らない。
私は壱君にコンビニで買った袋を差し出した。


「これは?」

「…プリン。一緒に食べよ」

そう言うと彼はまた、ニコッと笑った。





2人、ソファーに並びプリンを頬張る。

「ん!うまい!」

隣で可愛く笑うこの子が…本当に女の子なら良かったのに…と、思わずにいられなかった。

「ね、凛さんオムライス食べてないよ?」
「…だったね。」

「…食べる?」
「うん。」


おもむろに立ち上がり、キッチンから
ラップがしてあるオムライスを持ってきた。
さっき傾いたからかケチャップが寄れている。


「食べさせてあげましょうか?」

「っ…!!」

「嘘、嘘。」

アハハーとまたTVへと視線を移し、プリンを頬張っている。

一口食べるとフワフワな卵の感触が広がった。


「おいしっ!」

また、一口運ぶと横で優しく微笑む壱君。
一瞬…ドキッとした…
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