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せめて夢の中だけでも
第39章 一生俺のもの。


沙織ちゃんはその事実を知った直後から
物凄いスピードで歩いている。

早く秋雨の店に行きたいのだそうだ。


「先輩!早く!」


競歩でもしてるんじゃないかと言う早さで歩く。



店のドアをぶち壊す勢いで開けた。


「秋雨さんいますか!?」
大声でそう叫ぶと、案の定仁さんから静止がかかる。

控えめに私が入ると
何事よ?と奥から朱里さんが出てきた。



「秋雨…いますか?」


私が小さく聞くと彼女は
「あっちよ」と奥のテーブル席を指差した。




トレイを持ち、料理を運んでいた秋雨が
こちらに気づき笑顔をみせる。


「いらっしゃい」とこちらに近づいてきた。


「どうしたの?怖い顔して」

彼が少し首を傾げる。





「…夏輝さんに会った…」


そう一言言うと目の前の秋雨の瞳が大きくなった。
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