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せめて夢の中だけでも
第39章 一生俺のもの。
その話を聞いていた朱里さんも驚いていた。
「ねぇ、どこで?」
「ここから20分ほど歩いた所に…
店を出してます。」
秋雨の顔が強張っている。
「凛ちゃん…何かの間違いだろ?
兄貴はもう10年くらい音信不通なんだ。」
「秋雨に似てたの。
名前も聞いた。夏輝だって言ってた…」
ハハっという乾いた笑いを秋雨は出した。
奥から話を聞いたであろう仁さんも出てきて
秋雨に何やら耳打ちをした。
秋雨は仁さんに頭を下げると
私の腕を掴んで、店の外へと引っ張った。
「秋雨?」
「行こう…連れてって。」
私は力強く頷くと、秋雨と
さっき来た道を引き返した。
そして、さっきの小さな店にきた。
「ここの店長さんなんだって。」
そう…といい、秋雨は店のドアを開けた。