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せめて夢の中だけでも
第39章 一生俺のもの。
「嘘みたいだ…」
私も秋雨と同じように天井を見上げた。
天井には和紙で覆われた丸い照明がぶら下がっている。
するとビールのジョッキを二個持った夏輝さんが入ってきた。
「秋雨、俺からの奢りだ。
今日は好きなだけ食べていけ。
あっ…君はさっき来たからお腹一杯か」
秋雨と同じように口角を上げ笑うその仕草。
「君じゃない…凛だ。」
秋雨が夏輝さんに私の名前を告げる。
そうか…と私にまた笑うと秋雨へと視線を向けた。
「お前が誰かを好きになるなんてな…」
「やめろよ。兄貴といた頃は16、7のガキだった。」
「そうだったな…凛ちゃん、秋雨に泣かされてないか?」
「いえっ…優しいです。」
そうかそうかと豪快に笑う夏輝さん。
「凛ちゃんって呼ぶな…。
泣かすのはベッドの中で十分だろ。」
体制を変えることなく
秋雨は、夏輝さんに悪戯っぽく笑いかける。