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せめて夢の中だけでも
第39章 一生俺のもの。


「何?モデルさん?」

杏が尋ねると秋雨は、いえ…と笑った。


「何やってる人?あっ…まぁ座って」


秋雨は杏に言われた場所に腰を下ろす。
「BARの経営をしてます。」


「へぇ〜。どこで知り合ったの?」



「ちょっとお姉ちゃん!聞きすぎ!」

私は準備した飲み物を置きながら姉を制止するが
姉がこれくらいで止まる訳はない。


「いいじゃない!弟になるんだし!
で?どこ?どこ?ナンパ?合コン?」






「…僕の一目惚れです。」

秋雨の笑顔に姉が固まった。



「凛に?あなたが?ハハハ…


ないない、ないわ。」


「お姉ちゃん!」


だってこれよ!?っと私の顔を指差す。

…姉妹なんだからあなたも同類でしょ?とは言えなかった。



「はい。お姉さんの言う『コレ』が
僕には良かったんです。

僕の宝物ですよ。」




……サラッと言うのね。そういう事。




多分、姉妹3人ともが同じ思考だと思う。



「言われたいわ。旦那に聞かせてやりたい。」


姉はすでに空けていた缶ビールを
喉に流す。
そして、盛大に大きな溜息を吐いた。
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