この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
せめて夢の中だけでも
第39章 一生俺のもの。
「ねぇ、今日泊まってくでしょ?」
杏が秋雨に聞くも、彼は手を振り
「いえ、僕は近くにホテルを予約しましたから」
と返した。
「えー?何で?良いじゃない?
秋雨君、お酒飲めるんでしょ?付き合ってよ〜」
「いや…初めてお邪魔するのにそんな…」
「お母さーん!いいでしょー?」
「お母さんは良いけど…お父さんが何ていうか…」
杏が少し沈黙し、あぁ…そうかと
残念そうに顔を歪ませた。
「ねぇ、秋雨さん!写メ撮らせて下さい!
大学の友達に自慢する!」
「ちょっと!やめてよ!梨花!」
梨花は21歳の大学生。
きっと、秋雨はその学生の餌食になる…
「良いじゃん!減るものじゃないし!」
秋雨は嫌な顔を見せず
それに応じている。
…もう、優しいんだから。
半ば呆れ気味に秋雨を見て、
お昼の準備をしている母親のところへと向う。